25号機 バタヤンモデル
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ボディ側はこうなっていました。中央上部にも大穴がありますが、使われていません。
指板のRですが、最終フレット(19)では12インチなのですが、
ナット付近ではもっとRがきついです。コンパウンド指板ということでしょうか。
ヘッドですが、1.2mm位の厚みの白い樹脂を貼り、ヘッドごと黒く塗装、エッジの塗装が剥げてバインディング風になっています。
ナット(オリジナルではない)を剥がしてみました。ここも目一杯金属が詰まっています。つまりこのネックは皮だけ木(メイプル)で、金属製と言っても過言ではありません。加工精度はお世辞にも良くなく、モルタルのようなもので隙間を埋めてありました。この部分の接着は当然悪く、ヘッドプレートが若干浮いています。サウンドや強度への影響はまずないと思いますが。
エッジを少し削ったり、マグネットを近づけて判りました。鋳鉄に見えますが磁性はありません。鉄錆のように見えるのもサンバーストの赤と黒の塗料です。
【後記】特許資料によると、マグネシウムの鋳物だそうです。
ここだけ磁石がくっつきました。鉄のネジが入っているようです。そういえばここだけポジションマークが別パーツ(アバロン)でした。ネジ頭を隠していたんですね。
ネックの構造を調べた結果、米国特許資料を発見しました(No.2,497,116)。木製のシェルの中にマグネシウム鋳物のコアがヘッドに至るまで入っている構造です。コアにはチャンネルが彫ってあり、いろんな方向からの力に耐えられるようになっています。コアとシェルの間は充填材が入っています。ネックの反りを調整する機能は無く、最初から反らない志向です。事実、バタヤン所有機(1953年製?)も、私の手元にあるもの(1955年製?)もネックの反りはありません。ギブソン、フェンダー、C.F.マーティンとは全く違う設計思想ですね。
これがネックの断面比較です。水色で示した部分が補強材。弾きやすさ、製造コスト、丈夫さ、反りにくさ、補正のし易さ、総合的にベストはやはりストラトですね。レスポールのネックは、音は良いのかもしれませんが個人的には最も工夫が足りないと思っています。
マグネシウム鋳造を再現するのは一般家庭では困難なので、6mm厚アルミ板4枚をレーザーカット(専門業者にオーダー)して補強材とすることにしました。
【後記】付け根部分に更に小さな補強を2枚入れました。
補強材が届きました。中段のマホガニー材やロッドは別作品用です。
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