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| バタヤンモデルについてはギターマガジン1991年7月号に特集があり、切り抜きをずっと保存していました。米国ナショナル製ということは知っていましたが、型番も知らないまま22年が経過、今回ネットオークションでの落札で初めて型番を知りました。「SOLID
BODY ELECTRIC SPANISH CUTAWAY No.1124」と言うそうです。ちなみに1124は2ピックアップですが、姉妹モデルで1ピックアップ（リアではなくフロントのみ）の1123、カッタウェイ無しの1122というものもあったそうです。 バタヤン所有機はオリジナル1124ではなく、以下の通り改造してあります（写真の落札品も同様の改造がなされています。） 1)フロントPU取り外し 2)ブリッジ＆テイルピースをチューンOマチックに交換 3)糸巻きをグローバーに交換 4)その他諸々（後述） バタヤンが1124を入手したのは昭和29年（1954年）、35才の時だそうですが、氏の所有機が1953年製なのに対し本機は1955年製で若干モデルチェンジしています。 |
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| これが当時のカタログです。 |
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| これは恐らくフルオリジナルの1124です。 |
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| これは1963年の映像。ヘッドのロゴはありませんが、フロントピックアップや白いオリジナルノブが見えます。写真では見えにくいですが、テイルピースもオリジナルのブランコです。 |
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| これはバタヤンの愛機（1991年撮影の本物）。改造箇所が分かりますか？ちなみに弦ですが、GHSの011、017、026、036、046、052だそうです。ブリッジとテイルピース間の謎の穴ですが、ブリッジを後ろに移動するために設けたものの結局使わず「取っちゃってもいいんだけどね」だそうで（苦笑）。 |
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| ピックガードの上に更に黒い樹脂板を取り付けています。GM誌のインタビューによると、指弾きの際のフィンガーレスト（使わない指を置き、ピタッと止めるもの）だそうです。一つ前の写真ではピックガードに新聞紙を挟んでいるのが見えますが、このフィンガーレストの高さを調整するものだそうです。 |
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| まずはリファレンス機を解析です。ご覧の通り、電気部品はすべてピックガード（プラスチック容器）の中に内蔵してあります。ピックアップは生きていますが、コントロール類は半分死にかけています。ボディ材質ですが、「African
imported woods」とあることと、木目の感じからリンバウッド（コリーナウッド）と推測します。とても軽く、我が家の体重計でネック込み2.8kgしかありません。ボディ厚は42.5（ネック付け根周辺）〜44mm（エンド周辺）、フラットトップ＆バックです。 |
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| ピックアップは表から見るとハムバッキングに見えますが、ご覧の通りシングルコイルです。ネジ止めされたブリッジのすぐ下の黒いものがマグネットです。ギブソンP-90のマグネットを片側だけにした感じ、写真では見えませんが、ボビンも小さく巻数も少なそうです。後日、カバーのハンダを外して更に構造を分析します。本機のカバーは金属製ですが、バタやん所有機のカバーは樹脂製です。 余談ですがギブソンPAFのカバーには片側のコイルしかポールピースがありませんが、これってコイルが2つあることを（特許出願中とのことで）隠す意図もあったのでしょうかね？？ どなたか詳しい方いませんか。 |
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| 1955年はソリッドエレキ黎明期のためか、本機は特殊な仕様満載です。こんな所にネックを固定するボルトナットがあります。 |
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| こちらはヒール部分。謎の金属ブロックを介してボルトオンされています。このギター、生音が大変美しいのですが、この辺にもその秘密があるのかもしれません。 写真はカバーとストラップピンを外し、ネジを緩めたもの。このように意図的に斜めに差してありました。 |
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| ネックを外してみました。目からウロコです。トラスロッドとネック固定部品が一体モノです。ネックの中にどのように仕込まれているのか、レントゲンか超音波で非破壊検査してみたいですね。ネックはハイポジションからローポジションまで殆ど厚みが一定です（指板込み、ハイジションで25mm、ローポジションで24mm）。 【後記】 バタヤンモデルが縁で、Zin GUITAR WORKSHOPさんとお知り合いになりました。「REPAIR」のコーナーに「National(ナショナル) バタヤンギターの構造＆フレット交換」としてレントゲン写真が公開されておりますのでぜひご覧下さい。 |