18、19号機(オールインワン&オールローズテレキャスター) 
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オールローズです。
塗装も終了し、指板表面のみオレンジオイルで磨き、ピックアップキャビティに導電塗料を塗りました。
ヴィンテージ物はシールド処理はありません。ちゃんと施工しないと逆効果になることもあります。
表面はこんな感じ。塗装はごく薄い半光沢です。
フロントピックアップを固定しますが、その前にキャビティー内にアースラグを付けました。アースラグは通線の邪魔にならない箇所を選びました。
ピックアップを取り付ける際に気付いたのですが、コイルとリードワイヤーの接続部分でグルグル巻いた細い銅線があります(矢印)。テスターで調べた所、裸線ではなくエナメル線(薄いエナメルで表面が絶縁された細い銅線)でした。
ただこんな細くても一擦りすれば中の銅が露出し、音が出なくなるかノイズ発生源になります。
【後記】
気になって調べたのですが、コイル巻きの製造過程でここにグルグル巻くのが常識のようです。私自身、学生時代にコイル巻きの経験があるのですが、エナメルはハンダ付けで溶けますのでリードワイヤーを半田付けした後は不要のはずです。メーカーによって残っているもの、除去(?)されているものがあります。
・・という訳で無用の長物と判断し、”グルグル”を除去しました。キャビティに導電塗料塗を塗った手前、トラブル要因となりそうな箇所は除いておきます。

余談ですが、間違っても本線(矢印)をカットしないように。こんな細くてもエレキの回路の大動脈ですので。
ピックアップを固定し、ホットとコールド間の抵抗値を測定します。もちろん通線前後で変化無いことも確認します。ピックアップの抵抗(直流抵抗)は数キロ〜十数キロオームが正常です。
これより1まわり小さければ2線がどこかで接触しており、大きければ断線しています。
さて今度はリア側です。フロントと同様、謎のエナメル巻線はトラブルの要因となるので除去しました。
テレキャス食わず嫌いの私にとって初体験だったのですが、テレキャスのブリッジプレートって固定ビスやスプリングを介してリアピックアップのコールドと繋がってますね。抵抗値を計ったら0.2オーム(これは導通している)でした。ということはレスポールやストラトのようにPOT裏からアース配線を別途持ってくる必要はありません。
とはいえピックアップ自体はシールド処理されていないクラシカルなタイプなので、フロントと同様、キャビティをシールド処理します。
アースラグはこの位置にしました(フロントほど位置的な制約はありません)。
こちらも通線・固定後、抵抗値を確認します。リアの方が高出力(巻き数が多い)なのか、抵抗値が7.7キロオームと大きめでした(フロントは6キロオーム)。
抵抗値がちょっとした振動等で激変するようでしたら配線不良です。
電気パーツですが、今回はStewMacのキットを使いました。説明書は英文ですが、よく見たら、ピックアップのコールドを介してブリッジプレートがアースされる旨、ちゃんと書いてありました。

String ground on a Tele(R) is usually made by the metal baseplate of the bridge pickup contacting the metal bridge.
まず2つのキャパシタを配線しました。デカい方は一般的なトーン回路用ですが、小さいほうはテレキャスならではのものです。
エレキの回路は一応交流なので、用いられるキャパシタに極性はありません。収まりがよいように配線します。但しアースで無いほうの足(写真だと右)が他と接触しないよう十分注意します。
(写真をクリックすると拡大します。私の配線癖がわかるかも。)
とりあえずプレート内の配線を済ませます。
(写真をクリックすると拡大します。)
アウトプットジャックも配線します。こちらは通常、シールド線を使います。
プラグの抜き差しに支障がない位置にハンダ付けするのは勿論ですが、芯線とシールド部(網線)が接触しないよう十分注意します。
といっても目視ではわからないのでテスターで確認します。正常であれば2線間の抵抗値が数メガオーム〜無限大になります。もちろんPOTに配線する前に確認します。POTに配線してしまうとPOTやピックアップの抵抗値を測ってしまいますので。
それから矢印部分を内側に多少曲げて、ジャック穴の外壁と接触しないようにします。
POTに配線する前にアウトプットジャックを固定します。リテーナを先に位置決め・接着しておいたのでラクチンでした。
最後にアウトプットジャックからのシールド線をPOTに、ピックアップのホットをスイッチに、コールドとアースラグからの線をPOT裏にハンダ付けします。
(写真をクリックすると拡大します。)
またオールインワンです。こちらは漆黒仕上げです。コーティング前に600で磨きます。通常着色層は磨きませんが、この塗料は塗膜が厚いので大丈夫です。

ただこの塗料、うちの小さな塗装ブースで塗るには噴射角もミストも大きすぎます。梨地状になってしまったので磨いたというのが実情です。コーティングは使い慣れた塗料と機材にします。
随分ブランクが開いてしまいましたがようやくコーティングも完了です。
アサヒペンの水性スプレーは塗膜が厚く隠蔽力も強いのは良いのですが、硬化が遅くなかなかコーティング工程に入れませんでした。やっぱり今回限りかも。
さて、コンパウンドがけをテキトーに済ませ、組立てに入ります。
スピーカーはこのように埋め込んで、
上からカバーです。でも何かダサいですね。
ロータリーキャッチ、電池ボックス、蓋、トレモロ、どんどん組み込んでいきます。
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