Martinキット製作記
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いよいよブレース(力木:ちからぎ)の接着です。Martinキットはプランが添付されていませんが、鉛筆でブレースパターンが描いてあります。接着前に位置を確認します。
尚、他社キットの場合、事前にロゼッタを埋め込み整形しておく必要があります。また鳴りを良くする為、表板を薄くする削る人も多いです。ちなみに表板は英語で”サウンドボード”と呼びます。音を最も左右する所がここなんですね。
ブレース同士が接着される部分はこのように45度に削り、噛み込ませるのがよいそうです。StewMacのキットにはそう書いてありました。ブリッジプレート(ブリッジ裏の台形の板)も同様です。

余談ですが、写真のようにブレースの上部がアーチ状に削られているものをスキャロップ(ホタテ貝)と呼びます。大昔のMartinに採用され、一度消え、復活したものです。これがあると鳴りはよいのですが強度が低下しますのでヘビーゲージ弦は使えません(どうせ使いませんけど)。
まずXブレースを接着します。フラットトップとはいえ、若干Rがありますので隙間ができないよう表裏からクランプします。
もう1方のXブレースを接着します。
次にトッププレート、トップバーを接着します。
Martinキットの場合、L型フロントブロックとの位置関係(噛み合わせ)に注意します。またトップバーにはロッドを通す穴が開いており、これがぴったりセンターに来るようにします。
次にブリッジプレートを接着します。メイプル製です。
次は2本のトーンバーです。ダイビングの錘が役立ちました。
次にサイドブレースです。後はサウンドホールの補強材を残すのみです。
続いて裏板側です。最近のMartinキットはセンター接着済みです。
今回はバックセンターブレース(センター合わせ目に貼る補強材)を先に接着することにしました。
尚、通常はセンターにストライプ(装飾)を埋めますが、気に入ったものがなかったので今回は何もなしです。
これは当て木をして重石をしている所です。
乾燥後、ブレースを通す部分のみ削ります。最初からバックセンターブレースを必要な長さに切ってもよいのですが(StewMacのキットはそうなっている)、この方式のほうが直線性が出てカッコいいです。この部分はもう一つの顔ですので。
さらにバックセンターブレースの断面をカマボコ状に整形します。単に美観の問題です。
いよいよバックブレース4本を接着します。
トップブレースを整形する前に、ウエストの余材をカットします。裏板も同様です。
トーンバー、サイドブレースの先端は表板に溶け込む(?)ように削ります。
Xブレース、トップバーはリムに貫通させます。
英文説明書には、「Xブレースの下半分、2本のトーンバーは断面が扇形になるように削る」とあります。前者は既にそうなっている気もしますが、一応サンドペーパーでこんな感じに仕上げました。

ブレースを削ると表板の強度は低下しますが、音質・音量は良くなるそうです。アコギ製作で一番奥が深い部分です。
リムに表板・裏板を接着する前に、まず接着面を整えます。これはそのための道具(サンディングボード)です。長さ60cmの廃材に、角度調整用の廃材を貼り付けたものです。
表裏それぞれ1.5度、5度の傾斜が付いています。
サンディングボードで削る前に、カンナである程度の所まで削っておくと楽です。
こちらはフロントブロック側(裏面)です。
こちらはリアブロック側です。
サンディングボードの先端裏面にサンドペーパー(150〜240程度)を貼り付け、ブロックおよびライニングをグリグリ削ります。
裏板側は5度の傾斜がある方を使います。
どんどん削っていきます。
最終的にこのようになります。なかなか綺麗でシャープでしょ?

【後記】シャープなのはいいのですが、シャープすぎて裏板接着時に出っ張り、結局タジマサンダーで若干丸く補正しました。サンディングボードを使わなくても最初からタジマサンダーだけでよかったかもしれません。
表板側のブロック、ライニングも同様に削ります。こちらは角度が1.5度の方です。

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