エレキギター1号機(通算5号機)製作記
No.1 No.2 No.3 No.4 No.5 No.6 No.7 No.8 TOP

通算5号機、エレキギター1号機の製作に挑戦です。
まず参考書を購入しました。左下は有名な「Make Your Own Electric Guitar」です。
また昔のギターマガジンの切り抜き、リットーのムック等も掘り出しました。
私が所有する3本のギターです。
(左からIbanez S540、YAMAHA SG2000、同SG-T2)
私の演奏テクニックにはもったいなすぎるギターですが、それでも不満はあります。
今回はSG-T2をベースに、これらのよい点を取り入れたギターを製作することとしました。SG-T2は素晴らしいギターですが、弦交換が恐ろしく手間、その割にトレモロの使い勝手が悪い(アップできない)のが難点です。
そこで今回、トレモロはウィルキンソン、ロック式の糸巻きを用い、ポールリードスミスのスケール、24Fとすることにします。
また電気系はシンプルかつ機能的なS540も参考にします。
製作にあたり、実寸の設計図(プラン)が役立ちます。レスポールのプランを入手、またSG-T2のプランも実測にて作成しました。

当初、市販のネック、ボディを元にコンポーネントギターで練習しようと思いましたが、思いのほかパーツ代(ピックアップ、トレモロ等)の割合が高いことがわかり、それなら木工の練習し甲斐のあるセットネックギターに最初から挑戦することにしました。
それに私、ストラトよりレスポール系好きなんです。
市販の材(もちろん米国Stewmac、LMIから購入します)からネックやボディを有効的に切出す法を考えます。
ネックは昔、マホガニー1ピースでよじれた(本家ギブソンのレスポールです)経験があるので、やはりセンターメイプルの3ピースとします。
うまく平ら出しする自信が無いので、市販の材の平らな面を接着面に使います。
ネックの仕込み位置、ピックアップの位置を作図して確認します。
今回はスケールが長く(25インチ=635mm)、しかも24フレットです。
ブリッジ位置をSG2000、T2と同じとしました。そのためナットは6.35mm、22フレットは1.78mmヘッド側へずれます。
また2フレット分、フロントピックアップはブリッジ側に寄ります。
ネックの仕込み法に強度面の工夫が要ります。

余談ですがポールリードスミスのサンタナモデル(24フレット)はブリッジ位置をぐんとヘッド側にずらすことによりハイポジションの弾きやすさを確保しています。これをやるとボディ形状(アーチ等)も見直す必要があるので今回は避けました。 
ピックアップを始め、電気系統も勉強しました。ハーフトーンにも磁極、位相によっていろんな種類があることを初めて知りました。また同じHSH配置でもSG-T2とS540ではセンターピックアップの磁極が違うことを知りました。
今回はSG-T2と同じ、センターを逆巻逆磁極(RWRP)のHSHとしました。24フレット化によりピックアップ間の距離がかなり小さくなってしまい、ハーフトーンの時に距離の遠い側のピックアップとミックス(パラレル接続)したかったからです。 

・・で、何のことやらと思う「おとーさん」の為に、参考資料を作りましたので見てやって下さい。
失敗のリスクを考慮し、一気に資材を注文せず、作業進捗に応じて少しずつ注文することにしました。まずはネックです。 StewMacは注文から僅か2日後に来ました。
でも指板が不良品でした。不良箇所が2弦1Fあたり、一番使う所なのでメールでクレームしたら「返品不要、良品を再送します。不良品は練習にでも使って下さい。大変ご迷惑お掛けしました」とのこと。
儲かった。だったら可愛そうなので修理して使います(笑)。
センターのメイプルはカーリーメイプルにしました。全材料費に占める割合が小さかったので。
スロット済み指板は超おすすめです。ものさし代わりにもなります。  
柾目マホガニーからサイド貼付け用の材を切り出します。ぎこちない手つき・・。
実はのこぎり、殆ど使ったことないんです私。すごく時間かかりました。
材をしっかりクランプすればいいんですが、うちに万力なんてありません。

(上にぶらさがっているのは子供のおむつです。失礼・・。)
尚、今回は習作(結局完成してしまったが)なので、マホガニー部については切り出された廃材部分でネックを作りました。
センターのカーリーメイプルはマホガニーよりやや大きい為、継ぎ目なし2本取りが可能でした。
糸のこでカットします。
接着してから切り出すのは大変なので(バンドソーがあれば別ですが)、ある程度ネックに近い形状にしてからメイプルとマホガニーを接着しました。
上面がぴったり平らになるよう定規で確認します。(カンナで平ら出しできる自信がないので)。
接着剤は楽器製作者の間でポピュラーなフランクリン・タイトボンドです。
アコギ製作時に購入したスプールクランプが大活躍です。
余談ながら後々ネックをカマボコ型の断面に削るのでマホガニー部は僅かとなり、柾目を生かしたメリットは殆どでなかったと思います(苦笑)。
はみ出た接着剤は拭き取ります。ストローを使うと便利です(T'Sギターさんのアイデアです)。
トラスロッドの溝を掘る為のビットは、BOSCH標準付属の6mmをドレメルで削って5.5mmにして作成しました。
【後記】絶対にやらないで下さい。偏心するので怪我・事故の元です。
トラスロッドチャネル彫り。初めてのルーターは恐怖(苦笑)でした。
【後記】最大の要因は、自分で加工したビットの不均一さに起因する衝撃です。
一気に掘ると焦げます。
我が家は集合住宅で幼い娘が2人もいます。工房が無いので風呂場を利用しますが、漏電感電に細心の注意を払います。風呂マットは防振を兼ねます。
電線は巻き込まないよう肩にのせます。
14°の角度にヘッドを貼付けます。マホガニー部は廃材利用なので継ぎ目だらけです。一応柾目になるよう接着しましたが。

本番機(いつ作るのだ?)ではもちろん、マホガニー部分も継ぎ目無しです。
【後記】8号機としてセミアコに使いました。
ヘッド、ネック厚み調整をします。タジマサンダーが大活躍です。
指板を目的の幅近くまで削ります。エボニーはカンナで面白い様に削れます。
指板を両面テープで止めてネックとヘッドを削ります。指板を当てないと削れ過ぎる為です。
ポジションマークはSG1000/2000用を大和マークから購入しました。
梱包は丁寧。佐川で送られてきました。料金後払いです。

フラワーポットインレイは商標性あり購入不可でしたので似たものを(今回はデカールで)自作します。
ネックについて、何とか見通しがついたのでボディ材、ヘッドプレート発注しました。LMIです。材はすごく重く厚いです。
ボディはホンジュラスマホガニー1ピースです。日本ではステイタス高いけど米国では当たり前(今でこそ高級だけどキューバのマホガニー枯渇前はタダ同然だったらしい)みたいです。
【後記】ワシントン条約で、現在ホンジュラスマホガニーは米国から購入できません。
メイプルトップはフレームメイプルの「good」です。LMIではフレームとキルトがあり、それぞれ秀(best)・優(better)・良(good)があります。goodは一番下です。最初から「秀」買って失敗すると悲しいので「良」にしました。

No.1 No.2 No.3 No.4 No.5 No.6 No.7 No.8 TOP