HOSCOテナーウクレレキット(TU-KIT-5)の製作 (No.1 No.2 No.3)

ナットの居場所がなくなりそうなので指板接着前に少し平らな面を作っておきました。ちなみにこのナット、このままでは弦高が高すぎて使い物になりません。後でナットファイルで調整しました。平らな面作成にはドレメルが要るし、ナットファイルは高額だし、このキットはやはり初心者向けでは無いと思います。むしろギターキットの方が楽かも。
フレット打ちです。概ね従来通りの方法(足に水で薄めたタイトボンドを塗って打つ)です。
指板接着です。やり直しを想定しニカワです。
粗加工完了です。
塗装後にブリッジ位置で悩むのが嫌なので、CADで型紙を作ってしまいました。キットの説明書では、「12フレットから216mmのところにサドル」と書いてあります。但しナットから12フレットまでの長さも216mmなので、押弦時のテンション変化を考慮しておらず理論上のブリッジ位置に接着する指示になっています。しかしながら説明書に更なる間違い(?)があり(駒の上端とサドルの距離が4mmとあるが実際は6mm弱)、結果的に説明書通りに駒の上端を12フレットから212mmのところにすれば適切な位置に補正がなされるようになっています。説明書を真面目に読まない方が良いみたいです(苦笑)。
田子と言えば海と夕日、JRの寝台特急トワイライトエクスプレスの色を参考に、昼間でも夕暮れでも映えそうな色にしました。着色はポアステインです。との粉で目止めした後に着色し、その後でシーラー、コーティングです。いつもと順番が違うのは塗膜を薄くする為です。
コーティング中です。サペリのリボン杢が美しいです。ヘッドにもデカールを入れました。MDプリンタです。流石に今のパソコン(Windows7 62bit)には対応困難の為、専用のポンコツノートパソコン(Windows XP)を買いました。
ブリッジの接着ですが、ちょうど良いクランプがなく、ネオジム磁石を使いました。まずニカワをつけて目的の位置に乗せ、(この時点では多少の隙間は容認。)、硬化後、隙間にニカワを流し込みマグネットで挟み込む、これを何回か行ううちに隙間は無くなりました。この写真には写っていませんが、もう片割れのマグネットには長めに切ったマスキングテープで取っ手を設け、サウンドホールから挿入・回収できるようにしました。
【後記】後日ブリッジが剥がれてしまい、結局ちゃんとしたクランプを購入、タイトボンドで接着し補強ネジを入れました。サドルも多少削り弦高を下げました。
完成です。備忘録を兼ねてチューニングについてコメントします(私もメモしないと忘れるので)。弦とチューニングですが、通常のウクレレ(ソプラノウクレレ)と違い、全体的に弦が太く音が低い(5フレット分)です。今回張ってある弦は「ハイDチューニング」用といって1弦(この写真で手前の一番細い弦)から順番にE(ミ)、B(シ)、G(ソ)、D(レ)です。音程ですが、高い順に1弦、4弦、2弦、3弦(巻き弦)です。大半の教本はソプラノウクレレ前提で書かれているのでご注意ください。テナーウクレレでレギュラーチューニング(1弦からAECG)にする場合、細い弦に張り替える必要があります。そのまま無理矢理チューニングを上げると壊れる恐れがあります(>_<)。またソロ演奏(伴奏ではなくメロディーを弾く)の場合、4弦を1オクターブ低い弦にするのが一時期流行りましたが、鳴りが良くないので個人的にはお勧めしません。このサイズのボディで一番よく鳴るのは先述のハイDチューニングだと思います。
記念撮影です。
製作記録(No.1 No.2 No.3)
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