レス・ポール基本設計 TOP


プランはStewMacから購入しました。
カタログ上は以前からある商品ですが、今年になってリファインしました(従来はレスポールカスタム、今度は人気の59年スタンダード)。CADで描かれており精度もかなり高いです。
1.ヒール部の処理
ヒール部の処理は2次元での設計が困難なので、ファルカタ集成材で1/3の模型を作って検証しました。基本的にはアリアのPEに近いと思いますが、2箇所(雲マーク)肉付けすることにより、表からは普通のレスポールに見えます。かなり弾きやすそうです。
  
2.ネックの仕込み角度
 アーチトップのギターは普通、ネックに角度をつけて仕込みます。59年レスポールは4.4°だそうです。でもこの角度だと急すぎて指板の延長線上がブリッジ地点でかなり高くなるのでトレモロ設置が困難です。SG-T2と同様、仕込み角度は3°、メイプルトップは12フレットまで延長しネックと指板の間に挟みます。5号機と同じ仕込み法です。とても工数がかかるように思われますが、個人的にはこの方が楽でした(ネックを上下左右から挟んでしまうので、ネック仕込み部の加工の際に多少削りすぎても仕込み角度が大きくずれることは無い)。もちろん仕込み強度UPが最大の目的です。
 トレモロを付けるならネックの仕込み角度はゼロ(つまりストラトと同じ)に近いほどよいのですが、アーチトップの美しさとの兼ね合いを考慮すると2〜3°が妥協点かと思います(笑)。
 そういえばポール・リード・スミスってごく初期はオールドのレスポールJrにメイプルトップ貼って作ってたって近所の楽器屋のオヤジが言ってたけど、確かにボディシェイプは勿論、ネック仕込み角度も近いですね(どちらも約1°)。

(注意:この図はかなりデフォルメしています)
3.トレモロ
私が非ロック式の6点トレモロが好きな理由はRed Specialの基本設計にも書きましたが、
 1)部品交換なくフローティング/ノンフローティング/不使用の切り替えができる。
 2)弦をすべて外してもトレモロが落ちない。
 3)弦交換が非常に楽。
といったところでしょうか。但しRed Specialで使った古典的シンクロナイズドトレモロはいかにも安っぽく、また弦ピッチが大きすぎたので今回はGOTOH 510T-RS2にしました。高級品があり耐久性もありそうです。




トレモロのザグりですが、何も考えずに付けるとこうなります(5号機の反省)。




ですので今回はこのようにしようと考えてます。違いが判りますか?
4.材
材は今回、LMIではなくアイチ木材加工さんです。マホガニー材のラインナップはLMIより遥かに多く、送料も格段に安いです。14°角度付きネック(継ぎ足しではなく1ピース)があるのが嬉しいですね。今回はメイプルトップはカーリーA、ボディとネックはアフリカンマホガニー2Aを選定しました。送料込みで5号機の1/3です。

寸法は私が購入した材を採寸したものです。微妙に変動があると思います。
5.電気系統
電気系についてはお気に入りのRed Specialのエッセンスを取り入れ下記のように考えていましたが、外観がレス・ポールと全然変わってしまうので不採用とし、
こんな回路にします。外観は普通のレス・ポールですがコイルタップだけはできるようにします。
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