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3)スケール長とフレット間隔の関係(17.817ルール)について

オリジナルギター設計にあたり、スケール長とフレット間隔の関係について理解する必要があります。これを誤ると、どんなに美しくてもフレット音痴で楽器として使えない、ただのオブジェになってしまいます。

図1 スケール長

図1の通り、スケール長とはナットからブリッジまでの距離(振動する弦の長さ)のことです。また12フレット(1オクターブ)は丁度スケール長の半分になります。
補足:厳密には理論上のスケール長に対し、押弦時のテンション変化分を数ミリプラスしていますが、話がややこしくなるので後で説明します。


図2 スケール長とギターのサイズ

気を付けたいのは、スケール長とギターのサイズ、ネックの長さは必ずしも比例しないことです。例えば図2の場合、下のミニギターは上よりネックも短くボディも小振りですが、スケール長は大きいです。


図3 フレット間隔(25.5インチ=647.7mmスケールの場合)

さて、指板にはフレットが打たれています。フレット間隔がハイポジションになるにつれて小さくなるのはご存じだと思いますが、17.817のルールに基づいてその位置が決められています。
nフレットの間隔=(スケール長-ナットからn-1フレットまでの距離)÷17.817
(nは1、2、3、・・・・・24)
例えばスケール長が25.5インチ(647.7mm)のストラトの場合、図3のように1フレットの間隔は(647.7-0)÷17.817=36.35mm、2フレットは(647.7-36.35)÷17.817=34.31mm、以下同様に徐々に小さくなります。
いちいち手計算するのは面倒なので、MS-Excelのワークシートを作成しましたのでご利用下さい(こちら)。お持ちのギターのスケール長を入力し、実際のフレット間隔と比較してみるのもよいでしょう。
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