新・ウクレレキット(HOSCO UK-KIT-5)の製作 No.1 No.2 TOP
13号機は何故かウクレレキットです。12号機(レス・ポール)がヘビーだったので、息抜きしたくなりました。HOSCOのUK-KIT-5という商品ですが、後日StewMacからもウクレレキットとして売られるようになった高級路線の商品です。 |
【後記】息抜きのつもりが、息切れしました。このキットは非常に難易度が高いです。製品のレベルが高い為ではなく、単に作りにくいキットです。これから製作される方は以下の点にご注意下さい。 1)一枚板の側板 側板が一枚板(ギターでは通常、左右対称の二枚板)ですが、これがクセモノです。いびつになっていないか判りにくい(二枚なら重ねて確認できる)、センターラインがわかりにくい(二枚ならエンドにつなぎ目が見える)、木目が粗悪(板目)でウロコ状に割れれやすい(二枚なら通常、柾目の一枚板を裂いて作るので木目も左右対称)といった問題があります。私なら今度作る時は最初からエンド部分で切断してしまうと思います。 2)ブリッジ ブリッジが塗装、ポリッシュ済みでいかにも「完成品」といった印象を受けますが、弦を通す溝が浅すぎ、そのままでは弦を固定できません。溝をかなり深く掘り直す必要があります。またネジを隠す為の化粧板を接着する為に塗装を剥がす必要があります。はっきり言ってゼロから作った方がいいものができそうです。 3)ナット、指板、ブリッジの位置関係 ナットから12フレットまでの距離を2倍したところ(+テンション変化分の補正を数ミリ)にブリッジサドルを置くというのが弦楽器の基本ですが、このキットはネックが若干短いのか、ネックとボディのジョイント部に12フレットを持ってこようとすると、ナット位置がヘッドの傾斜部分に入ってしまう可能性があります。この場合、キット付属のナット(底面は平ら)はそのままでは使えなくなります。指板接着位置をボディ側に多少シフトすればよいのですが、この場合ブリッジプレートを予めエンド側にずらして接着しておく必要があります。 |
これがキットの外箱です。キャッチフレーズは、 「本当に難しいキットです。でも良いモノを作るには苦労が必要なんです。」 何ともオヤジ心をくすぐる言葉ではありませんか(笑)。 注文先はネットで一番安かった(送料税込み\7,220)あぽろんさんです。HOSCOは愛知、あぽろんは新潟、我が家は静岡なので、この商品は恐らく大雪の中、中部地方をぐるりと廻ってきたことでしょう。ご苦労様です。 |
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中はこんな感じ。 | |
説明書はかなり文章が多いですが写真がいまいち見難いです。PDFファイルかな。 ブレースパターンも添付されています。 |
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側板は完全な1枚物(左右に分かれていない)です。あまりメリットを感じないのですが、まあご苦労様です。表面は板目でちょっと荒れていて仕上げに手間が掛りそうです。 ネックは嬉しいことにマホガニー(ヘッド、ヒールは接ぎ木)です。ローズウッドのヘッドプレートも接着済みです。 全音は「マホガニーまたはメイプル」となっていますがメイプルしか見たことがありません。 【後記】 この側板に後々苦労することになります。 |
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表裏板は木目の美しい柾目マホガニー1ピース、 ブリッジプレート付き、 バックブレースにはアーチ付き、 弦はGHSブラックナイロン、 高級感ある糸巻き、 インドローズ指板、MOPのポジションマーク入り、 フレットはニッケルシルバー(自分で打ち込む)、 ロゼッタ付き(溝掘り済み)です。 多少材の表面は粗いですが、全音キットより一回り高級路線です。 尚、ナットとサドルが欠品で、後日別送してもらいました。 |
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私の過去の箱モノ(1〜4、6、8、10号機)で一度もやっていない、ヘッドブロック接着用のカウル製作を行いました。 キットに含まれているヘッドブロックにサンドペーパーを被せ、ファルカタ集成材(本当はもっと硬いほうがいい)にこすりつけて仕上げました。 【後記】 この頃は真面目に教科書通りに作ろうと思ってました。 |
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Cクランプで接着です。はみ出たタイトボンドでカウルがくっつかないようにクッキンシートを挟みます。 側板は表裏の区別はありませんが、ヘッドブロックを接着する際に決めます。表側がヘッドブロックの天面と面合わせになります。 |
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しかし・・、接着自体は綺麗にいきましたがこの歪みは如何なものでしょうか。また側板が板目の為、今にもバキバキ割れそうな箇所が何箇所かあります。 | |
というわけで禁断の(?)ベンディングアイロンで納得いくまで補正です。 | |
どんな状態だったかと言いますと、ウエストのくびれ位置からの距離を左右A、Bとすると、この長さが8mm位違うのであります。 ベンディングアイロンが無い方は、予めAとBが同じ長さになるようカットしてしまった方が良いと思います。 |
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エンド(テール)ブロックはいつもの接着法(カウルなど作らず手持ちのクランプ駆使)です。このキットは側板が一枚板なのでどこがお尻のセンターかわかりにくいです。 | |
さて、気分転換にロゼッタを埋めます。 実験を兼ねてセメダインのABS接着剤にしてみました。 LMIから個人輸入しなくてもこれで大丈夫そうです。 【後記】後日バインディングでも試したのですが、接着性がイマイチでした。やっぱ暫くLMIの接着剤が頼りでしょうか。 |
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キットはウエストクランプ方式ですが、側板がムンクの叫び状態で補正困難だったのでベニア板(13mm)でモールドを作りました。添付のブレースパターン(手描きで左右非対称だったが・・)を参考に、お尻をやや大きめにしました。 | |
うおおおお〜!!(風吹裕矢) やはり予想していた事態発生。 何はともあれライニングを接着します。 |
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何が起きたかと言いますと、ヘッドブロックのエッジ部分の側板(表板側)がメキメキ割れ始めたのであります。最もストレスが掛かる所、しかも板目で曲げも甘い所でした。ライニングを普通に接着するだけでなく、裏打ち補強を入れました(ヘッドブロックの切り欠きはドレメル使用)。まあ、これで安心でしょう。 やはりこのキットは発展途上です。側板は柾目か合板にするか、左右2ピースにするか、全音のように予めブロック接着済みにすべきだと思います。 |
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さて、スクレーパでロゼッタを整形します。キットの説明書ではカッターの先端(刃でないところ)を使って”はびく”よう指示があります。なるほど、確かにスクレーパと同じような効果がありますね。 | |
もう片方のライニングを接着します。ライニングは曲げてありますがこれまた形状が悪く、むりに接着すると側板が変形しそうです。 願わくばこれもベンディングアイロンで修正したほうが宜しいです。 |
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さて、見違えるように形が良くなりました。 | |
このキットは「本格的」ですので前と後ろで厚みを変えます。 説明書ではライニングを接着してからカットなのですが、私は先にカットすることにしました。 |
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裏面のライニング接着です。 |