ハムバッキングの製作 TOP

ピックアップ自作第一弾として、まずはStewMacのキットに挑戦してみることにしました。ストラト用シングルコイルに引き続き、今度はハムバッキングです。
こちらがキットの内容。ピックアップ下部にバータイプのマグネットを置き、ポールピース(磁性体ではない)を間接的に磁石にします。写真は割愛しましたが、キットにはヴィンテージタイプのケーブル(単芯)も付いています。
【後記1】StewMacのキットのボビンはの部分が切り欠かれていませんが、最終的にカバーを付ける場合、ここを切り欠いたほうが配線が挟まれにくくなります。片方のみ(コイルの巻き始め、巻き終わり側)でOKです。
【後記2】黒いテープは別売りです。StewのPickup Coil Tapeです。
リファレンス用に既製品(Golden Ageのハムバッキング)を分解してみました。シールドをプレートにハンダ付けしていますね。ロウまみれです。
コイルのワイヤー(AWG42)とリード線のハンダ付け箇所を観察します。巻き始め、巻き終わりとも黒いビニルテープ(コイル表面のリード線側に半周ほど巻いてある)の外でハンダ付けし、その上から黒い布テープでグルグル巻いてありました。ということは巻き始め側もコイル巻き後にリード線をハンダ付けしているということですね(シングルコイルと同じですが、StewMacのハムバッカーPUキットの説明書では巻き始めは予めリード線をハンダ付けする指示になっています。厳密ではないようですね)。リード線の被服にもAWG42がグルグル巻かれているのが面白いです。
2つのコイルをベースプレートに固定した後、幅の広い黒布テープでさらにグルリと一周巻いてありました。
さて作業開始です。まずボビンのバリをペ−パーで磨きます(バリに引っ掛かって断線しないように)。日本の600番がアメリカの600番と同じか知りませんが、600番で丁度良いです。
コイル巻き風景を紹介します。配線材は私の股間前に縦に置いてあります。
【後記】最近は素手で指先にベビーパウダーを付けております。また配線材はギタースタンドを使って斜めに配置しております。
ボビンは両面テープで貼ってあります。手前のリミッターとボビンが一直線上になるように調整します(赤線参照)。
コイル巻き中、手袋を着用しました(適度に滑りやすく、また余分な水分を巻き込まないように)。説明書にはベビーパウダーも良いと書いてありました。視線はリミッターの部分に置き、左右に振りながらボビンに均一に巻かれるよう調整しますが、蛍光灯でピックアップも照らし、そのてかり具合でも均一性を確認します。この辺は説明書に無く、自己流です。
それぞれ5000ターン巻き、黒テープを少し巻きました。どちらも反時計方向です。私が以前書いたハムバッキングPUの原理からすれば片方を逆巻きにするのが筋ですが、巻き始め、巻き終わりを最後に繋ぎかえれば理論上(理屈上?)は同じなので、今回は説明書に倣いました。
リード線をハンダ付けしました。
今回は説明書に従い、どちらのボビンも巻き始め黒、巻き終わり白にしました。その後ハンダ付け箇所共々、黒テープでグルグル巻きました。
直流抵抗を測定します。電気信号を作るのはあくまで銅線のインダクター分であり抵抗分が頑張る訳ではありませんが、どちらも巻き数に比例するので直流抵抗測定がピックアップの出力の目安になっています。もちろん断線チェックの意味もあります。
スラグを打ち込みます。テーパーがある方が上です。シングルコイルと違い、ボビン下に突き抜けます。バーマグネットを接触させる部分が必要だからです。
こちらはアジャスタブル側。ビスは金属スペーサーにも通します。
ワイヤーをハンダ付けします。何色をどこに繋ぐかは自由(どのメーカーも統一性なし)ですが、考えるのが面倒なので説明書通りにします。
【後記】:4芯ケーブルを写真より少し長めに剥いだ方がむしろ収納先の選択肢が増えます。またボビンも予め切り欠いた方がよいですね。
念のためハンダ付け箇所を熱収縮チューブで絶縁しました。ベースプレートにもシールド線用にハンダを盛ります。
アジャスト側がS極(つまり方位磁針のNがくっつく)になる向きにマグネットバーを挿入します。固定側(スラグ)は自動的にN極になります。
余談ですがStewMacのGolden Ageは固定(スラグ)側がS極です。でも位相を間違えなければ問題ありません。
ハムバッキングは配線の処理(収納)が面倒ですね。
【後記】:4芯ケーブルを写真より少し長めに剥いだ方がむしろ収納先の選択肢が増えます。またボビンも予め切り欠いた方がよいですね。
幅広の黒テープをグルグル巻いて、とりあえず外観的には完成です。個人的にはアジャスト側がクリームの方が好きです。
【後記】5号機はDuncanのゼブラ(外側クリーム)を個人輸入したのですが、日本ではこれをリバースゼブラとして売っているようですね。Mojoでしたらリバースゼブラも弦間ピッチの異なるボビンもラインナップしています。
さて、これも初めてのパラフィン含浸です。資材が無いのでローソクをホットプレートに載せた釜で溶かしました。
こんな感じ。いい湯だな〜。峠の釜めしも食べたいな〜。
10〜20分煮込みます。もとい、含浸させます。温度が高かったのか材質のせいか、クリームのボビンだけ熱で多少変形しました(写真では殆どわかりません)。次回は少し低めの温度にしようかな。
次回にすぐ溶けるよう、かき混ぜながら冷やしました。
とりあえず完成です。
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