ゼロからCHAMPを作ってみよう キャビネット製作編 TOP

実を言うとツイードはそんなに好きではありません。もっと木工工芸っぽいものにしたいです。昔のブギーアンプ(サンタナのMark-1)のような、植物を編んだグリルにしたくていろいろ調べました。 手芸品店等を調べた結果、「皮籐(かわとう)のかごめ編み」と判明しました。また福島工業という滋賀の籐(ラタン)専門店で1m単位(幅は60cm)で売っており早速購入しました。
今回はドンズバコピーは目指していません。何を律則に詳細寸法を決めるか考えた結果、籐のピッチの区切りのいいところを基準にバッフル(スピーカーを直接取り付ける板)のサイズを決め、これを元にキャビネットのサイズを決めることにしました。
バッフルは332×294mmとし、これより少し大きめに籐をハサミで切り出しました。ちなみに奥の方のロール状のものが送られてきたときの状態です。
サイズを決めたらシーラーとクリヤーを吹きます(裏も)。写真では隠れていますが、籐の下に切り出したバッフルが隠れています。変形しないようにネジ留めしています。
手前左がバッフル本体(332×294×9.5mm厚の合板)、右がスペーサー(フロントグリルとバッフルの間に挟む)です。スペーサーはバッフルより幅を5mm(左右角2.5mm)程小さくしています(グリル両端で籐の厚み分を逃がす為)
バッフルにスペーサを接着します。若干汚い(模様がある)のは籐にシーラーとクリヤーを吹いたときの名残です。
ちなみにバッフルとスペーサは上下わずかにずらしました。
CHAMPはフロントグリルに約5度の傾斜があるためです。
スピーカー固定用のネジ(φ4mm×35mmとしました)も付けてしまいます。
バッフルをつや消し黒で塗ります。私はタミヤの水性アクリル塗料を使ってます(模型ヲタク時代の名残り)。
籐のエッジを整えました。バッフルへの固定は2.4×13mmのサラねじです。
さてキャビネット本体です。オリジナルはパイン(松)の20mm厚単板ですが、今回は近所のホームセンターで売っているラワン14mm集成材にしました。安いですがラワンの鳴りの良さは11号機(ラップスチール)で確認済みです(笑)。これは電動糸鋸等で切り出した図です。
本物はもっとピッチが細かいのですが、一応蟻溝にしてみました。
ルーターガイドを買うのも高くて面倒なので手作業です。
タイトボンドで接着しました。
バッフル固定フレーム(?)です。幅30mm、厚さ14mmのラワンです。本当は8〜9mm厚を希望していたのですが見つかりませんでした。オーダーする程のものでもありませんし。
フロントグリルの傾斜に合わせ、5度の傾斜を接着面に付けてあります。またバッフル固定用穴も明けました。
そのバッフル固定穴ですが、籐を破壊しない位置にしました。
これはキャビネットの側板後方の支柱です。裏蓋の固定もここです。同じく幅30mm、厚さ14mmのラワンです。
ちなみにバッフル(&グリル)はこのように後方から斜めに挿入します。先ほどの支柱をゴッつくするとぶつかって挿入出来なくなるので要注意です。
あれあれ、早くも出来てしまった感じです。
でもフロントグリルがやはり奥に引っ込み過ぎているのでこのあとツラを全体的に5mm程削りました(ルーター&カンナ)。
今回シャーシは1mmと薄いアルミ板をナベビスで組み立てたので、ネジの頭がキャビネットと干渉しないよう窪みを彫っています(ドレメル使用)。
ハンドルとシャーシと固定してみました。シャーシはオリジナルはボルト2本ですが不安定なので4本にしました。
ホームセンターで購入したゴム足を付けました。
裏板を9mm合板で製作しました。ちなみにアイチ木材から材を買った際に梱包材として使われていたラワン薄板を化粧板にしました。
いよいよ塗装に入ります。全体を240→400で磨きます。
目止めはワシンから赤い”との粉”が出たので使ってみることにしました。赤というよりウ○コですが。どうもStewMacのグレインフィラーはイマイチ綺麗に仕上がらないので今後こちらに切り替えるかも。
との粉は半乾きの状態で布で拭き取り乾燥させ、400で磨きました。サラサラしていい感じです。
ポアステイン(色はチェスナット)で着色です。スプレーガンのセッティングが面倒なので今回ハケ塗りします。
着色の次は何と、床用水性ウレタンニス(これもワシン)でコーティングです。
ウレタンニスは4回塗りました。仕上げ磨きはコンパウンドでそこそこに仕上げました。
バッフルを正式に取り付けます。
次にスピーカーとハンドルです。
シャーシを取り付けます。
裏蓋を付けます。
早速試奏です。ギターもアンプも自作です。しかし音のデカいの何の。本当に6Wですか?
【後記】
あまりの音のデカさでゲインを最大にできず(近所迷惑)、ナチュラルディストーションが得られないと嘆いていたら、のぶさんが「アッテネーター」を付けると良いとアドバイスをくれました。付けたらホントにいい感じになりました(シャーシの製作の最後をご覧下さい)。サウンドデータはこちら
最後におまけネタですが・・、
今回電源ランプは青にしてみました。LEDに比べると安っぽいけどいい味出してるでしょ?
真空管の妖しい光です。眺めてニヤニヤできるアンプの完成です。
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