トレムバッカー(Fスペース)の製作 TOP

StewMacのハムバッキングPUのキットは今のところビンテージタイプ(レスポール用、弦間ピッチが狭く、取付け部の足が長い)しかありません。ストラトタイプのトレモロを標準装備とする私には使えません。そこで最近(24号機以降)はMojotoneのキット(写真左、これもビンテージタイプ)にオプションパーツ(写真右)を付けて、ダンカンのトレムバッカーやディマジオのFスペースに相当するピックアップを作っています。
ビンテージのハムバッキング(ダンカン59等)の巻き数は5000回程度だそうです。今回ブリッジ用は高出力にしたいのでボビンに可能な限り巻いてみます(電気工学の話になりますが、出力は巻き数に比例します)。
左はビンテージタイプ(ネック側用)、右は弦間が1-6弦で53mmの幅広タイプ(ブリッジ側用)、巻き数も6000回まで巻いてみました。ダンカンTB4等はボビンの形状を変更するか、細い電線を使う等の工夫で更に巻き数を増やしていると思います。
コイルの巻き線は細すぎるので、リード線をハンダ付けします。とりあえずどちらとも巻き始めを白、巻き終わりを黒にしました(後からStewMacのキットの説明書とは白黒逆と気付きました。まあ最終的に位相合わせすればいいのでどっちでもいいんですけど)。螺旋状に巻くのは断線防止や長さ調整等、諸々の理由だと思います。
黒テープで覆います。これで一安心です。
直列抵抗を測ってみました。ブリッジ側は巻き数が多いため4.6キロオームあります。思惑とおりです。
同時製作したフロント用は3.6キロオームと小さめです。
ポールピースを組み立てます。片側はスラグタイプ
もう片方はアジャスト(ネジ)タイプです。本家ギブソンのレスポール搭載機がこうなっているのでいまも踏襲していますが、片側だけネジにする意味は殆ど無いと個人的には思っています。
滅多に見られないアングルをご紹介。このようにバーマグネットを間に挟むことで、左右のポールピースをそれぞれ異なる極性に励磁します。マグネットの材質はいろいろ選べますが、私が使うのは定番のアルニコ5です。ピックアップの出力はマグネットの磁束密度にも比例します。もしネオジム磁石を使ったらどんな音になるんでしょうね?
ベースプレートですが、ビンテージタイプは無駄に足が長すぎ、ストラトに搭載するとトレモロのザグりと干渉します。そもそもこんなに長くなくてもピックアップの高さは調整できますので、Mojoの短足タイプにします。Mojoは足の長さだけでなく、通線穴の位置も選べるので便利です。
コイルの下はこのように配置します。
以前はハンダ付けしてから組んでいたのですが、配線長さを検証するために先に一旦仮組みしてみました。

図1:オリジナルPAFの内部配線図
さて、配線について自分の頭を整理します。図1のように、逆巻き逆磁極(RwRp)のコイルを直列に2個繋いだ物がハムバッキングです。名機1959年製ギブソン・レスポールに搭載され、今でも無数のレプリカが出ているPAFはこんな回路です。

図2:Seymour Duncan製PUの内部配線図
コイルの配線を色々変えてお遊びができるようにしているのが4芯ハムバッキングです。図2はセイモア・ダンカンの配線。
尚、
青字部分について補足、コイル巻きの際、わざわざ逆回転させるのは面倒なので、巻きStart、Endのリード線を繋ぎ変えて「逆巻き」状態を作るのが普通です。CCWとは反時計回りのことです。

図3:DiMarzio製PUの内部配線図
図3はディマジオの配線。ダンカンと色が違うのは困りますが、個人的にはこちらの方がわかりやすいと思います。

図4:StewMac製PUキット説明書の内部配線図
そして図4はStewMacのキットの説明書の配線図。更に色が違います。「アメリカ人、いい加減にしろよ」と云いたくなります(苦笑)。
それでは最後のハンダ付けです。一旦部品を外しアースをハンダ付けします(部品が乗っているとハンダごての熱を奪われてしまうため。)
部品を載せ、配線していきます。配線をあまり短くすると収納場所探しに困るので少し長めのほうが良いこともあります。尚、今回はダンカンの配色(図2参照)にしました。
何とか収納できました。
最後に周囲を黒テープで巻いて完成ですが、
今回はハードロック仕様なのでハウリング防止にパラフィン含浸します。
あらためて完成です。左はフロント用ですが配線取出口がノーマルPAFと逆(配線ルートを最短にする為)、右側はトレムバッカー(Fスペース)仕様でポールピース間のピッチが広いです。どちらもボディのザグりを最小限にできるよう短足です。
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